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採用の重要性と一般的な採用の問題点について

投稿日:2022年11月9日 更新日:

私自身は現時点では経営者でも人事でもないのですが、学習塾運営スタッフ時代から講師の採用は少ししていたのと、以前の会社でも規模が小さいということもあり、多少関わらせていただきました。

そこで思ったことを正直に書いていきたいと思っております。

人間関係で悩むことが多かっただけにネガティブなことが多いですが・・・汗

採用の重要性

良い会社=単純にいい人材が多い

当たり前かもしれないのですが、いい業績を上げている会社の場合、会社のノウハウもあるかとは思いますが、「単純に優秀な人が多いから」が一番大きな原因だと思います。

給料が高い会社(当たり前ですが業績の良い会社)をみて自分もあの会社に入れれば・・・なんて思う方も多いと思うのですが、そういう会社は元々能力の高い方が見合った給料をもらっていることが多いのではないでしょうか。

良い会社にいるから給料が高いというよりも、優秀な人が多いから、良い会社になって、結果的に給料が高くなっている、というのが正しい見方だとおもいます。

蛇足ですが学校も同じでして、開成高校などの超進学校が東大に合格者を大量に送り込めるのも、「元々東大に入れるような優秀な生徒が通っているから」でほぼ間違いないと思います。

カリキュラムやノウハウもゼロではないですが、要はいい生徒が集ってくるのが主要な要因ではないでしょうか。

会社に話を戻しますと、良い会社になるかどうかはどんな人を取るかで6〜7割決まってしまうと思います。

人間は基本的に変わらない

人が大事ということに異論を持つ方はあまりいないのですが、採用がダメでも教育体制やフォローをしっかりすれば・・・という意見もありそうです。

ゼロではないと思いますが、採用に比べると重要度は低いと思います。(教育をやっていた人間からすると敗北宣言ですが・・・)

理由として、人は基本的に変わりません。私は現在42歳ですがこれだけは自信を持って言えます。

特に意欲、性格に難ありの人材を変えることはほぼできません。

変えることができるのはあくまで知識の一部分だけであって、意欲や勤務態度などを変えることはほぼできないと思った方が良いです。

意欲や人物面などで難のある人材を雇ってしまった場合、雇ってしまった時点でアウトです。

また人物面で問題がなくとも、経験者で長く仕事をしてきた場合、文化や常識などが染み付いており、これもなかなか変えることはできません。

私は主にアジャイルの現場で仕事をしてきましたが、2020年10月〜2022年3月まで1年半ほどウォーターフォールタイプの仕事をしていました。

現場の方々は非常にいい方ばかりでそういった部分のストレスはゼロだったのですが、仕事のスタイルが合わずかなりストレスを感じていました。(期間が長かったら耐えられなかったと思います。)

ある程度の経験者を雇う場合、仕事のスタイルや方向性などがミスマッチの場合これもかなりマイナス要因になるかと思います。

いろいろ書きましたが、雇った後では遅く、雇う時点でもう決まってしまっていると思った方が良いと思います。

多くの場合、数年程度の在籍でも数千万の出費になる

また特に正社員で雇った場合、その出費は数千万になることが一般的ではないでしょうか。

一般に本人に払う倍ぐらいの金額がコストとしてかかると聞いたことがあります。

エンジニアの経験者の場合、500万以上の方が多いと思いますので、その場合、1年で1000万の出費をすることになります。

1年でこれぐらいなので、3年程度在籍するだけでも単純計算で3000万円・・・フェラーリ1台くらいにはなりそうですね。

悪い人をとった場合、数千万の出費をして、マイナスの効果を生み続けることになる

怖いのが雇った人が難ありの場合、数千万円の買い物をして、かつ会社の悪影響を与えることになります。

戦力化するどころか害をなすような人間を雇ってしまった場合、周りの人間もそうですが、会社に与える影響は凄まじいだろうなと思います。

金をドブに捨てるだけではなく、ドブに捨てて、かつ悪影響を及ぼすことになります。

正社員の場合、簡単に解雇できない

問題がある人を雇ってしまった場合、一番きついのは簡単にクビにできないことです。

横領をするとかでしたら別ですが、相当問題のある場合でもクビにすることはなかなかできません。私の前職でもある人物が原因で何人もやめている・・というような事件が発生しましたが、クビにはできませんでした。

確かに「試用期間」というのもありますが基本的に勤怠に問題がなければほとんど問題になることは少ないのと、性格に問題のある人物でも最初の3ヶ月程度だと問題が顕在化しない(わかりやすくいうと猫をかぶっている)ことが多いです。

業務委託だったら仕事がなくなっただけで契約終了って言えるんですけどね。社員の場合、よほどひどいレベルでないと首にすることは日本の場合なかなか難しいと聞いたことがあります。(一般的なレベルで仕事ができなくぐらいではダメらしいです。)

まあだから業務委託って高いんですけど・・・

こんなんで採用ってめちゃくちゃハイリスクなんですよね・・・私は人を雇ったことはありませんが、考えるだけでものすごい危険かつ高コストな買い物だな・・・と思います。

採用の仕事と言っても大きく分けると募集(応募者集め)とスクリーニング(自社にあった人材かの見極め)の2つがありまして、エンジニア採用の場合、2022年現在は前者(応募者集め)の方が大変かと思いますが、私自身ちょっと経験がないので後者(スクリーニング)について書いていこうと思います。

私が経験者のエンジニア採用に立ち会ったことはほぼないため、塾運営スタッフ時代や未経験者エンジニアなど、主に人物面のスクリーニングについて思ったことになります。

めちゃめちゃ上から目線なので採用の仕事をしている人は怒らないでください(汗)

現状の採用の問題点

面接での漠然とした印象を過大評価しすぎる

ほとんどの企業では採用に関して書類と面接をするかと思うのですが、面接では漠然といい人そう、何となく仕事できそうというふんわりとした印象で採用することが多いのではないでしょうか。

よほど極端にかんじのいい人、悪い人ぐらいならわかると思いますが、一般的な面接でその人の能力値全てを押し測るのは非常に困難だと思います。

一般にこういった漠然とした面接を「非構造化面接」といい、採用後のパフォーマンスを予測する手法としては精度が低いようです。

また厄介なことに社会人として経験がある人であればある人ほど「自分は人を見る目に自信がある」という意識を持つことが多いことと、後述するフィードバックの難しさもありなかなか改善されることはないかと思います。

「人を見る」は人間に向いていない仕事

採用だけに限りませんが、人を見る、というのは非常に難しい仕事だと思っています。

特に人間的な部分なのですが、さまざまな認知バイアス(ハロー効果など)が入り込むことが多いため、なかなか採用後のパフォーマンスを見極めることは難しいかと思います。

認知バイアス・・人間が独自に持ちやすい思い込みのパターンや癖。例としてハロー効果(ある分野で成功している人はその他の分野も優秀のように見えてしまう。)

認知バイアス自体は人間であれば誰しもが持っている性質なのと、自分自身がどういう認知バイアスを持っているかはわからないため、この影響を取り去ることは非常に困難です。

私も「人を見抜く」能力に自信がある方が採用で失敗した例を数えきれないぐらい見てきました。

ほとんどの方は漠然とした会話のやり取りでなんとなくその人の印象をおしはかってしまい、採用にもそれをそのまま使って失敗することが多いようです。

これもまたフィードバックが難しいこともあり、なかなか改善されることがないようです。

採用要件が明確でない

非構造化面接に特徴的なのですが、採用要件が明確でなく、漠然とした印象、感じた能力で採用、不採用を決めていることが多いのではないでしょうか。

特に「コミュニケーション能力」「地頭」などが典型的なのですが、どういった能力を「コミュニケーション能力」「地頭」と定義しているのかが曖昧な気がしています。

エンジニア界隈でも「技術力」という言葉が言われるのですが、この言葉も多義的であり、エンジニアごとに定義が違うような気がします。

採用フローについてのフィードバックやノウハウの蓄積がされない

非構造化面接の精度は低いと思うのですが、改善される傾向はあまりないかと思います。

その理由としては以下のような点でしょうか。

  • 採用してもその人物がいいのか悪いのかがわかるのは最速で数週間〜数ヶ月後であり(未経験者だと数年後)、時間が経っているため、採用プロセスが見直されることは少ない
  • 問題が発生してもその人物に悪印象を持つだけで、採用プロセスが原因とは考えない
  • 採用以外のところ(プロジェクトの進め方)にも当然問題はあるため、そういった点の方が問題化され、採用プロセスが見直されることは少ない
  • とりあえず取っておいて、教育して鍛えよう、変えようという発想が多いため、採用自体を軽く考えていることが多い(前述しましたが大人になって根本的な意欲や性格を変えることはできません。)
  • どのような採用をし、結果どのようになっているかのデータを取ることは少ない

このような点が考えられるためまずい採用手法を取ってもフィードバックがなかなか機能しないのだと思います。

散々問題点について書いたので採用に関して読んだ本と私が考える採用手法なども書いてみたいと思います。

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