リクルート、ライフネット、オープンハウスなど人事畑一筋で現在は独立されている曽和利光氏の著書です。
経験則だけでなく学術的な知見もある方のようで、読んでいて納得感がありました。
要点
- 採用面接の評価精度は高くない。特に「評価できているつもり」の人が多く、「一目でわかる」「5分話せばわかる」など非常にバイアスを持ちやすい
- 学生は「学習歴」「GPA」など学習意欲、継続力などでのスクリーニングを測る必要がある
- 好業績者であっても言語化が不得意な人は多く(無意識であることが多いため)、スクリーニングに向いているとは限らない
- 社長、役員なども経験則などのヒューリスティックに陥りやすい傾向があるため、スクリーニングには向かないが動機付けをしてもらう方が良い
- 面接はさまざまなバイアスとの戦い。これをぬぐい去ることは難しい
- 「どの事実から」相手を評価したのかを神経質に意識することが大切。「言っていないこと」は「聞いていない」ぐらいの認識。大事なのは客観的な事実
- 「思っていること」ではなく「やってきたこと」を聞く
- 志望度は面接を通じて、採用側が高めること(ネットを通じて大量応募が可能であること、優秀な人は辞退率も高く、複数の会社から声がかかる、エージェント経由の応募者は当然自社について知らないため、志望度は高くない)
- 面接(正確に言うと非構造化面接)で評価できるのは外交性や情緒安定性であり、領域固有性のある知能は評価しにくいため、別途筆記試験などを設ける
- 圧迫面接は面接の目的を阻害し、評価を押し下げるため、絶対NG
- 評価精度が高くないにも関わらず、行われているのは採用側の納得度が大きいことと、絶対的な基準がなく、揺らぎを人が判定する必要があるため
- エピソードは可能な限り、具体的な行動を聞く
- 「構造化面接」(人材の要件定義→マニュアルに従った淡々としたコミュニケーション)は評価精度が高いが志望度を上げるには向かない
- 「コミュニケーション能力」「地頭」など曖昧な言葉は社内でしっかりとした定義を行う
- 入社後に変えられる能力は採用基準にしない
- 「志望度」が高い人(=どこで判断?言葉だけでは?)よりも自社の仕事が出来そうかで判断する
- 中堅やベテランなどは適応可能性について掘り下げて聞く
- 落としやすい人の特徴→面接に不慣れで緊張しやすい人、率直な人、平均的な人、盛らない人
- 逆質問への対応に関しては真摯に対応し、悪い口コミに対しては不安を取り除く、かつ人気の高い仕事に関しては期待値をあげすぎないことが大切
- 一般的に優秀な人ほど辞退する確率は高い(他からも声がかかる)ため、志望度の向上が大切。「採用担当者の印象が悪い」ことが辞退の一般的な原因
- 合格と内定をわけ、合格者に「内定が出たらどうしますか?」と言う質問を投げ、OKの場合に内定を出す(学生のみ?)
- 採用KPIを設定し、モニタリングすることが大切
- オンラインではトラブル対応(環境不備による音声などが聞こえない)、動機形成対応などが必要
- 辞退率要因が高くなる要因としては以下3点
- 面接での印象が悪い
- 選考スピードが遅い
- 選考ハードル(not採用基準、過剰な持参物やアクセスなど)
- 採用にかかる費用は人材紹介会社の手数料が目安
読後の感想
読んでいて採用に関して疑問に思った点が氷解しました。
やはり面接(非構造化面接)の精度は高くないのですね・・・人材の言語化と構造化面接(事実に基づいたインタビュー)が大切に関してはなんとなく思っていたことと一致しました。
志望動機はあまり重要でないのも納得ですね。自社に入りたい(好き)と言う人と自社の仕事ができる人は直接は関係がないです。ここら辺は人として好きかと言うことと社員として採用すべきかと言うことが一緒になりやすいかと思います。
読んでいて勉強になったのは辞退率を下げる、志望度を面接を通じてあげると言うことですね。
自分もいろんな会社を受け、辞退したこともあり、単純に会社に魅力を感じなかったケースもありますが、魅力的なんだけど選考スピードが遅い、入社時期が遅い(これは離職中だった自分が問題だったカモですが・・・)、選考ハードルが高いなどもありました。
振り返ると面接でおもてなしをするような会社もあり、志望度が高まっていったこともありました(結果的に入社しなかったですが・・汗)。
まとめると、採用面接=人材要件の言語化×事実を基にしたインタビュー×志望度の向上ということですかね。