今まで何冊か採用の本を読みまして、人の行動を予測するのは基本的には「過去の行動」に焦点をあてることがベストというのがほぼ共通項ですが、今回紹介する「世界最高水準の採用セオリー」もこの行動面接をシステマチックにした行動面接システムの手法について説明されています。
要点
- 一般的な会社で採用基準を明確にもっている会社は少ない
- 従来型の面接の評価精度は非常に低く、各面接官でもその評価はかなり異なる
- 採用したい人物の採用基準 =「どんな行動力を潜在的に持つ人なのかについて明確に決め、これを会社の共通言語としておく」
- 経営理念、会社の特徴、部署の雰囲気、ハイパフォーマーをモデルとして決める
- 持ってほしい価値観→そのサブの概念→行動パターンと逆算していき、行動パターンを定義する
- その人間の過去の行動は繰り返されやすい。「人がある特定の状況で取った行動は、その後おなじような状況においても、再び繰り返す可能性が高い」→ 将来を一番的確に予測する
- 行動は事実なので、誤解されにくい。
- 面接者の個人的印象が応募者の評価に影響を与えない。
- 思い出して応えてもらうので、ごまかしが減少する。
- STARの状況を聞く( 読書感想文:科学的手法で絶対に成功する採用面接 )と同じ
- パーソナリティを一番見たいが、それは潜在化していてみえないので、顕在化している、特定条件下の行動をみる
- その人の考えや思考など行動がみえないものは原則聞かない。もし「・・・だったら」という仮定条件も意味がないので聞かない。
- 会社が持っていてほしい価値観の細分化→その価値観をもっているであらば取ってほしい行動例のリストを作り、それを採用面接で判断する。
読後の感想
行動面接の有効性に関してはどの書籍でもそれなりに、書かれているのですが、この本で書かれているのは、価値観を細分化してそれを行動面接に活かす・・といったことですかね。
今、もう一つの記事でも書いているのですが、経営理念で会社を選ぶのは案外大事ではないか(合理的ではないか)と考えるようになったのですが、その理由としてはこの書籍であげられているような、
- 人間の思考は表に現れないが、行動にあらわれる
- 行動をみていけば、その人間の思考がわかる
- 思考の中でも抽象度をあげたものが価値観である
といったステップに近いです。
先程読んだ読書感想文:科学的手法で絶対に成功する採用面接ではいい意味で内観しないほうがいい(根拠ない価値観を持たない方がいい)とあったのですが、この本では価値観をシステマティックに浮き彫りにしていく手法が捉えられています。